"彼 S君は、子供の頃からの夢でシェフになりたかった。
都会ではない地方の出身だったので、高校卒業後すぐに単身上京、
東京のレ
ストランで下働きからの修行を始めました。
6年後、ようやく念願だったイタリアへ武者修行の旅へ3年間行く事が出来て
日本へ帰っ
てから、ある小さいイタリアンのセカンドシェフとして働くように
なりました。
S君は性格も良く、腕も良いため、どんどん頭角を現
して来て、
ついには、それほど有名ではないけど、ある一流店のシェフとして
雇ってもらえる事になりました。
彼の子供の頃
からの夢は叶ったのです。
そのお店で腕を振るううちに、なじみのお客さんもたくさん増えて、
今度は自分のお店を出したく
なりました。
でも、先立つものが不足しています。
その時、「俺と共同でお店をやらないか?」
と言うお誘いがあ
り、S君もその話し乗ってしまいました。
今までのお店では、ただの雇われシェフで給料制でしたが、
今度はオーナーシェ
フ。
お店が流行れば流行るほど、自分の収入も名声も上がって行きます。
このお話に興味を持つのは当然と言えば、当然でし
た。
しかし、結果的に言うと、まだ彼には早かったのです。
雇われていた時は、材料の質は最高のものを使
い、ワインなど
飲料の事にはそれほど気を使わず、利益に敏感ではなくて、
売り上げさえ上げればそれで良いだろう、と思っていました。
で
も、いざお店を経営すると、料理以外に気配りしないといけない事が
大幅に増えました。
従業員の教育もそうですし、仕入れ
先とのお付き合い、何より運転資金の
工面のために金融関係との交渉、なんか今までやった事もないお仕事に
謀殺される事になりました。
ほ
とほと疲れ果てて、最終的には共同経営のもう一人に、お店を取られる事に
なりました。
大変な挫折を味わったそうです。
一
時期、人も信じられなくなったそうです。
その後、料理教室を自宅で開きましたが、それも上手く行かず、
現在は、やっと地
方の小さなお店の雇われシェフとして
働いています。
そもそも彼の夢はなんだったのでしょう?
『シェ
フになる事』
でしたね。
『夢が叶う』=『成功』であれば、彼の人生は成功ですね。
でも、現実はそこでは
許してくれません。
つまり、『夢が叶った』『成功した』後の方が長い人生が待っている事の
ほうが、多いのです。
野
球選手など、その一番端的な例ですよね。
現役と引退後にとてつもない生き方の転換がある。
野球で行きて行こうと夢見る少
年が、その後の引退生活まで
考えて、野球を選ぶ事はありません。
しかし、かならずその現実はやって来るのです。
か
ならず訪れる出来事なら、すべて受け入れて、苦しい事、辛い事、
それも含めて全部、楽しんで生きられるようにならないといけませんね。
シェ
フのS君は
「また、1から出直しだけど、今が一番楽しい。
シェフになる!と言う夢が叶った後、色々あったけど、挫折があったからこそ
人に優しくなれたし、そんな気持ちを持っているからこそ
どんな安い素材を使っても、前より美味しい料理を
作れるようになった。」
と、
言っていました。
一つの山を越える事が出来た彼は、幸せそうでした。
『成功』=『夢が叶う』そして=『幸せに生
きる』
こうなりたいものです。"
成功とは、なんぞや?|田中公平のブログ My Quest for Beauty (via petapeta) (via masaka) (via oosawatechnica)
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